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記事作成日: 2019.09.02/記事更新: 2019.09.03
マジカルミライ2019 Ver. ミクさん |
ルカさん10thと謎解きゲームが人気だった企画展
ライブに合わせて今年も企画展が開催されました。率直に言って内容的には変わり映えはあまり無かったと思います。物販とクリプトン所属のボーカロイド達の紹介に企業の出店ブースがあり、企画展内の公演やライブ用の特設ステージがあるという構成です。
いつもと違ったのはルカさん10thにあわせて、ルカさんの紹介が強化されていました。もう一つは、最近流行りの実際に歩いて問題を解いたりする、謎解きゲームが好評だったようです。1500円で参加できるのですが、かなりの方が参加されていました。
ルカさんは今日も海へ出る…
漁船に乗っていても美しいルカさん |
ルカさん10周年でいつもより展示が多めでしたが、特に目を引くのは漁船でポーズを決めるルカさんです。マグロだったりタコだったりと何かと魚介類やら海に関わりがあるので、漁船に乗っての展示です。左下にはタコルカがちょこんと乗っていて可愛いです。
テント風の展示ブース
サーカスということでテント風展示ブース |
今年のマジカルミライは「フューチャーサーカス」がテーマということで、毎年展示されている等身大のミクさんはテント風のブースに展示されていました。写真を撮ったりしてみると、結構カッコいいです。
デフォルメミクさん |
等身大ミクさんの近くに床マットが敷いてありましたが、デフォルメでかなり可愛いかんじです。玄関マットとかで出るとちょっと良いかも!?
ミクダヨーその歩みは止まらない
エアバルーンダヨーさん チャームポイントのほっぺもばっちり再現 |
アップでもこのクオリティ |
いつの間にか雪ミクダヨーさんが公式登場し札幌に舞い降りるようになっていたり、ミクさん同様に謎のファミリーが確実に増えているのが凄いです。
ラスカルとダヨーさん 心無しか悪い顔をしている |
ダヨーさんのマジカルミライでの仕事は、他にもいくつかありました。8月31日のオープニングセレモニーに登場したり、ミクさんとコラボ中のラスカルと一緒に会場に登場したりとです。
余談ですが、北海道ではとてもアライグマが増えていて問題になっています。ミクさんとのコラボも何かの因果なのでしょうか。元は人が連れてきた動物なので、少しでも穏便に解決されれば良いのですが…
ミクさんは夜も眠らない?
ミクさんとチーバ君をはちゅねがガード |
千葉県ブースでは千葉デザイナー学院の学生さんが書いた、ミクさんとチーバ君のイラストが展示されていました。そしてその周りをガードするのは「はちゅね仕様の単管ガード」です。
単管ガードは鉄パイプで作るバリケードのことで、最近だと動物の形など色々なものが増えています。あらゆる仕事をこなすキティちゃんも似た製品がありますが、はちゅねみく仕様の単管ガードを作っているのは北海道の片桐機械で別メーカーです。正式名称は「ミクガード」で、北海道の工事現場で実際に使われています。購入はできませんが、北土建設のリース部門からのリースが出来ます。アイドルから建設工事まで働くミクさんには頭が上がりません。
せっかくなので交通整理用の棒振り人形なんかもあれば良いのですが、流石に道交法とかで不味いのでしょうか?
VOCALOIDからの独り立ち
piapro studioはボーカロイドのハブを目指す
企画展のステージは新技術の発表会が行われていました。この発表ではクリプトンと産業技術総合研究所(以下産総研)が共同で取り組んでいることについて、発表がありました。
新技術発表会 左: 佐々木さん (クリプトン) 真ん中: 後藤さん(産総研) 右: 伊藤社長(クリプトン) |
その中の発表で次期初音ミクは一先ずVOCALOID 5ではなく、クリプトンと産総研の共同開発のエンジンが採用されるような話が出てきました。
現状クリプトンの方向性としては、初音ミクであれば声の性格をまず大事にしながら表現の幅を広げる方向のようです。
そのために引き続き初音ミクの音声合成用ライブラリのブラッシュアップを行う。合成音声部はVOCALOIDエンジンにさらにエフェクトや調声出来るようなソフトで表現の拡張を行ったり、VOCALOIDエンジンに拘らず初音ミクらしさを残しつつ別の合成エンジンの採用していく。そのために音声ライブラリや譜面データをシームレスにつなぐための核として、piapro studioを拡張していくような流れと私は理解しました。一方でVOCALOID2・3・4Xの販売を中止するようなこともしないと、述べていました。
次期初音ミクで採用されるエンジンは、元々はクリプトン社内で技術開発・研修のために販売を目的としない目的で開発されていました。それが今回の流れなどを受けて、実際にユーザーが使えるものとして発売される流れになったそうです。
クリプトンの立場を考えると妥当な方向性に思えます。ヤマハと違いエンジン自体ではなく、データライブリの開発を今まで行ってきました。そして初音ミクというキャラクターがしっかり大きくなってきたことを考えると、その声の性質を中核に今までのライブラリを生かして表現の幅を広げるというほうが、会社の立場やユーザーのためにもなるという考えは理解出来ます。
ピアノのデジタル音源は今でも沢山ありますが、様々なアプローチの表現がなされているように、初音ミクもその段階に入ったのだと思います。なので自社や他社というのは意識せず、必要に応じたものがエンジンとして採用されていき、究極的にはPiapro studioを軸に横断的に様々な表現に対応できるのを目指していると思います。
ピアノのデジタル音源は今でも沢山ありますが、様々なアプローチの表現がなされているように、初音ミクもその段階に入ったのだと思います。なので自社や他社というのは意識せず、必要に応じたものがエンジンとして採用されていき、究極的にはPiapro studioを軸に横断的に様々な表現に対応できるのを目指していると思います。
私はVOCALOID5を触っていなかったり、あまり正確に追えていないので間違いがあったら申し訳ないのですが、5ではサンプラー的要素が強くなっているようです。人の声に近いという意味では良いのでしょうが、今までのライブラリを生かしたり一から声を作りこむという意味では、不利な部分もあるように思えます。5の採用を現状見送っているのは、そういった理由もあるのではないしょうか。逆を言えば、5の次の6が出たとして初音ミクというキャラクターに合えば、VOCALOIDエンジンがまた採用されるでしょう。
古いソフトの販売中止をしないというのも非常に重要です。古い時代のアナログシンセサイザーは入手が困難であっても、それを使いたいミュージシャンは多いのです。憧れのアーティストが使っていたからであったり、古いシンセサイザー特有の音に惹かれてなど理由は様々です。そして、需要のある古いシンセサイザーというのは、代替部品を使った現代仕様での再現やソフトウェア上での再現で、音的にも殆ど変わらない製品があるにも関わらず本物が求められています。
それらを考えるとソフト音源でいつまでも製造が出来る初音ミクを、あえて販売中止にする必要はありません。もし初音ミクがさらに10年・20年と続いたら、今のVOCALOID2などは、古いシンセサイザー同様にビンテージの音源として求められるようになるかもしれません。その時を見据えてだと思います。
進化の方向として様々な拡張ソフトや合成エンジンで複雑性を高める細かい調整だけではなく、より簡単に調整できるようなものも考えているそうです。例えば歌い方にも喜怒哀楽があると思いますが、喜びを設定すれば自動でそういう歌い方になるようなものだと、私は理解しました。また、現状ボーカロイドライブラリごとに歌い方の癖があり、それを他のキャラクターで歌わせる場合、上手く歌わせるには再調整が必要になります。その手間も軽減していくそうです。なので、簡単にする部分は初心者・上級者ともに恩恵がある方向を目指しているようです。
そして最後に印象的だったのが、ヤマハと中違いをしたわけではないしユーザーを大事にしたいと強く言っている佐々木さんや伊藤社長の姿でした。初音ミクというイメージがある以上それを壊すことは出来ませんし、今までのクリプトンのかじ取りに共感してファンを続けている人たちも多いと思います。だからこそ大きな方針転換をするには、そういった部分を大事にするということを強調したり、誤解が生まれないようにする必要があったのでしょう。
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その他にも産総研の発表も
クリプトンメインの発表以外にも産総研メインの発表が行われました。私が気になったのは「Kiite」というサービスです。このサービスは楽曲の検索支援サービスで、自分好みの曲を探すのを手伝ってくれるものです。
Radarという機能ではザッピングする感覚で曲を聴きながら、各種フィルターを使って好みの曲を探しやすくしてくれます。その中で推奨エンジンという機能があり、好きな曲などを登録することで、自分好みの検索エンジンを育てるというような機能があります。
莫大な数に増えてしまったVOCALOID楽曲の中から、お気に入りを探すのは至難の業になっています。ある程度注目度の高い人たち以外が発掘されるきっかけになれば、面白いと思います。この問題はVOCALOID以外の一般的な楽曲でも同じなので、将来的にはそちらでもこういったシステムが活躍してくれればと思います。
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フォトライブラリ
ミライサーカスブースより |
ミライサーカスブースのミクさんです。今年のテーマ曲に関する展示などがありました。
音楽エリアブース裏より |
ちょっと憂いのある感じがまた、素晴らしいです。
F:NEXブースより |
F:NEXから発売予定のマジカルミライ2019仕様の初音ミクスケールフィギュアです。
F:NEXブースより |
等身大パネルの展示もありました。