2015年9月9日水曜日

マジカルミライ2015を振り返る ライブ編

2015年9月4~6日に初音ミクマジカルミライ2015が行われました。前回の企画展レポート編に続きライブレポート編です。

早朝の初音ミクマジカルミライ2015武道館入り口
早朝の初音ミクマジカルミライ2015武道館入り口

初音ミクマジカルミライ2015とは?

初音ミクマジカルミライは9月4日~5日のライブと、9月4日~6日の企画展をあわせた複合イベントです。

ライブではバーチャルアイドルの「初音ミク」を中心としたライブで、本物のアーティストと同じように歌って踊って武道館でパフォーマンスを行いました。企画展は企業の物販販売を中心とした展示と、楽曲製作などのワークショップなどが日本科学技術館で行われました。

駆け足で武道館へ!

「新木場 Studio cost」で2009年に行われた「ミクFes 09」で初めての公式ライブデビュー、2010年には「Zepp Tokyo」で行われた「ミクの日感謝際」でソロデビュー、2011年に行われた「MIKUNOPOLIS」で初の海外公演、2013年の「和歌山ビッグホエール」で行われた「ミクパ in Kansai」で初のアリーナ公演、そして今年2015年の「マジカルミライ2015」で武道館公演達成!

ライブについて簡単に羅列してみました。人気アイドルは世の中に沢山いますが、芸暦8年でこの出世スピードだったアイドルは日本ではミクさんだけだと思います。本当に遠くに来てしまったという感じです。

ただ、このスピード出世はミクさんだけの力ではありません。まず曲を作るボカロPの方がいて、イラストや動画を作る方に、ネギ振り競争などのネタマシーン製作の方などいろんな人の力があって出来たものです。そういうい意味では普通のアーティストと比べるのはちょっとずるいからも知れませんね。

新旧でバランスの良いセトリ

1-Tell Your World/livetune/初音ミク
2-ラズベリー*モンスター(初)/HoneyWorks/初音ミク
3-はじめまして地球人さん(初)/ピノキオピー/初音ミク
4-独りんぼエンヴィー(初)/koyori(電ポルP)/初音ミク
5-恋愛裁判(初)/40mP/初音ミク
6-聖槍爆裂ボーイ(初)/れるりり/鏡音レン
7-ロストワンの号哭(初)/Neru/鏡音リン
8-リモコン(初)/じーざす (ワンダフル☆オポチュニティ!)/鏡音リン・鏡音レン
9-Nostalogic(初)/yuukiss/MEIKO
10-スノーマン(初)/halyosy/KAITO
11-エンヴィキャットウォーク/トーマ/初音ミク
12-深海少女/ゆうゆ/初音ミク
13-Sweet Devil/八王子P/初音ミク
14-二次元ドリームフィーバー/PolyphonicBranch/初音ミク
15-キャットフード/doriko/初音ミク
16-アンハッピーリフレイン/wowaka/初音ミク
17-ロミオとシンデレラ/doriko/初音ミク
18-glow/keeno/初音ミク
19-愛Dee(初)/Mitchie M/初音ミク・巡音ルカ
20-Just Be Friends/Dixie Flatline/巡音ルカ
21-shake it!/emon/初音ミク
22-Packaged/livetune/初音ミク
23-ワールドイズマイン/ryo(supercell)/初音ミク
24-ODDS&ENDS/ryo(supercell)/初音ミク
- アンコール-
25-Hand in Hand/livetune/初音ミク
26-39/sasakure.UK×DECO*27/初音ミク
- ダブルアンコール -
27-ハジメテノオト(合唱)/malo/初音ミク・観客の皆さん

※(初)マークはSEGA、マジカルミライ、ミクパ系のライブでは初演奏の曲(私が覚えてる範囲なので間違っていたらご指摘ください。)

それでは今回のライブのレポートに入りたいと思います。まず最初に良かったと感じたのはセットリストです。感謝際系の血脈である「マジカルミライ」ですが、2013年の初開催時から初音ミク最初期の曲は少なめになっていました。しかし今回は、古い曲も多めでした。初音ミクライブのファン層は小さい幼児層から古参のおっさん層まで幅が非常に広いです。そして古参の層はやっぱり古い曲が好きな方が多いと思います。また、最近ファンになった幼児層には古い曲は知らない曲に入ると思います。なので、今回のセトリは両方の層に良かったと思います。

次に良かったと感じたのはライティングのバランスが良く、透明ボード(ディラッドボード)横の壁が有効に利用されていたことです。プロジェクタでミクさん達を投影する関係で、ライティングは明るくしすぎたり配置が悪いと、投影された映像が見づらくなってしまいます。マジカルミライ2013では明るすぎ、2014の東京ではみづらいと感じました。しかし、今回はそういった感じはしませんでした。今回ミクさん達が投影されるボード横にはLEDを使用したLEDボードとミラーボールが複数用意されていました。上部の通常スクリーンと合わせての演出が良かったと感じました。特に良かったと感じたのはスノーマンとロミオとシンデレラです。スノーマンの雪の降る演出はLEDとミラーボールで本当に雪が降っているようでした。ロミオとシンデレラではLEDパネルでお城の窓を表現していましたが、本当に窓みたいでそれっぽかったです。ただ、演出が良かったために上部スクリーン下が寂しく感じました。そして、愛Deeのピークメーターは動きが画一だったので、もう少しバラバラに動くとさらに良くなったのかなと思います。

もう一つ良かったと感じたのは投影とCGモデルです。実在感を出す肝のプロジェクターによる投影ですが、複数を上手く同期できてなかったり配置が悪いと実在感を壊す要因にもなります。今回は上手く隠れる場所に配置され、コントラストもはっきりしていてくっきり見ることが出来ました。CGモデルはライブによって、アーケードゲームだったりPS3のだったりライブで色々変るのですが、会場では見たことのないモデルが使われているように見えました。会場では感謝際のときと同じアーケードっぽいシェーダーを使っているようにも見えました。そこで、去年の映像と見比べてみましたが、去年とおおよそ同じようです。今年はいつも以上に綺麗に投影されていたので、それが良い影響を与えて違うように見えたようです。ただ、脇などは去年より造りこまれているような感じもするので、細かい手直しをしたのかもしれません。もし、詳しい情報などを知っている方がいましたら、教えて頂けると嬉しいです。

気を使い過ぎでは?と感じる面も

逆に気になった点ですが、一番気になったのは演出です。演出自体は率直に良かったと感じます。しかし、ハジメテノオトの合唱など依然やったライブに被らないようにしてるのかな?と感じる部分がありました。台湾ミクパの流れで採用した可能性もありますが、どちらかというと大感謝際と同じにならないようにとの理由の気がします。確かに以前やった演出のまんまだと面白くもないのも事実です。製作陣も悩んで出した答えだと思うのでマイナス点とは感じませんでしたが、しっくりしない部分も少し感じました。

次に気になったのはステージ中心が寂しいことです。マジカルミライでは会場が大型である関係か、超横長のスクリーンを使用しています。そして実在感を最大限に引き出すためにスクリーン後ろは真っ黒になっています。実在感のほかにも左右へ大きくミクさんが動くことで、座席の左右どこでも良く見えるようになっています。ただ、左右の飾りや上部のスクリーンがあるので殺風景さが際立ってるように思います。製作陣も同じようなことを考えてかは分かりませんが、ロミオとシンデレラでは柵の演出など、数曲で各キャラが歌う横にオブジェクトを積極的に投影する場合もありました。数曲しかやらなかったのは、あまり同じような演出をやるくくどくなるの控えめにしたのだと思いますが、もう少しこの演出を多用しても良いと私は感じます。

横長スクリーン繋がりでもう一つ気になったのはバンドの配置です。スクリーンが横長になった関係でバンドはかなり見辛い場所になってしまっています。ミクさん達がメインなのは分かりますがバンドもライブの華です。配置は再考しても良いのではないでしょうか。

そして気になったというより仕方ないと感じたと思うものもありました。一つ目は武道館の音響です。MXの放送ではかなりクリアですが、会場ではかなり滅茶苦茶でした。武道をやる場に音響を求めることが酷なので仕方がないことです。

二つ目ははじめまして地球人さんのモジュールです。コミカルな動きだったのでMiraiやFTで使われたモジュールのほうが映えたのではないかと思います。ただ、ライブ頭で統一感出したかったのではとも思えたので、そっちを優先すると一概に悪いとも言えないとも思えます。

トラブル続きの5日

公演は4日は夜公演のみ、5日は昼・夜の二公演でした。4日の公演ではトラブルもなく終えることができましたが、5日の公演は昼・夜とトラブルがありました。

昼のトラブルはかなり致命的で、リモコンの演奏真ん中ぐらいでリンちゃんとレン君が消えてしまいました。消えた後は演奏自体は続けられ、バンドの演奏が左右のスクリーンに映されていただけで、上部とディラッドスクリーンは完全沈黙状態でした。リモコンの演奏が終わると一旦中止のアナウンスが流れ、中断されました。その間バンドがちょっとだけセッションぽいことをやったり、観客側でミクさん頑張れコールしたりしていました。15分ほど経ったら再開のアナウンスが流れ、次の曲Nostalogicから始まりました。トラブルの都合上次の曲となってしまったのかもしれませんが、昼公演しか見れなかった人は残念だったのではないでしょうか。

夜公演ではロストワンの号哭の出だしで無音になってしまい、少ししたところから音声が復帰しました。こちらのほうはリンちゃんのギター破壊の演出や復帰の仕方が上手かったこともあって、何も知らない人にとっては演出に思えたぐらいには問題ありませんでした。昼公演と違いライブならではの面白さといえる程度のトラブルだったと思います。

未確認のトラブルとしては5日夜の後半で、キーが曲によってズレていたというのもあります。座席によって音響の差が激しいのでそれが原因の気もしますが、リンちゃんのトラブルも音声だったので、実際トラブルがあったのかもしれません。

余談ですが、リモコンの「Yeah!」は4日夜の表示だけだったようです。文字がないほうが見易いので、5日は消したらしいです。

ケネディ氏も来場

ミクさんのフェイスブックで、駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディ氏と伊藤社長とミクさんの写真が公開されました。私も5日のお昼過ぎに武道館正面前の駐車場に外交官ナンバーの車が入っていくのを見ましたが、どうやらこれが理由だったようです。


会場入場口前に立つタモリ像
会場入場口前に立つタモリ像
変ったゲスト?としてはタモさんの像が居ました。この像は4日の昼公演が終わると、すぐに撤去されてしまいました。
お祝いの花
お祝いの花
ライブに行くと見ることの出来るアーティストへの花も、入り口付近に飾ってありました。

次はどこへ行くのだろうか

ミクさんのライブも初めての新木場公演から月日を重ねてここまで着ました。回を重ねるごろに新技術や新しい演出を加えて、毎年見ても飽きませんでした。ライブ会場も小さめのライブハウスから始まり、ホール、アリーナときて武道館ライブまでやることが出来ました。小林オニキスさんのブログじゃないですが、初音ミクが登場した頃はネタでしかなかった武道館ライブが出来たのは感無量です。

ここで素人の私が感じるのは、次に何が出来るのだろうということです。演出に関しても毎回いろいろなことをやってきましたし、投影も毎回改良を続けてきたので頭打ち感を感じます。会場に関しても残るはドーム公演ですが、もう少し技術の進化が必要に感じます。そうなると来年とかは何が出来るのだろうと思ってしまいます。その反面、なんだかんだ製作陣たちは新しいものを作ってしまうだろうなとも感じます。

ミクさん達を取り巻く環境がだいぶ変ってきた点もありますが、ボカロPからプロのライブ製作陣の方まで製作者さん達の熱意は変らないと思っています。受け手側の人間としては、楽しみに来年もライブを待っています。

※外部リンク
初音ミクが武道館に立った日-小林オニキスさん

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